ちくま新書

社会人として恥ずかしい日本語、使ってませんか?

何気なく使ってしまっているその表現、大人として大丈夫でしょうか。ちょっとした言葉づかいで、あなたへの印象はかなり変わってしまうものです。ちくま新書『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』では、社会人として恥ずかしくない表現を100、厳選して、ご紹介しています。その「はじめに」を公開します。

はじめに

 言葉遣いを磨くことは、身だしなみを整えることに似ています。心がけ一つで始められ、あなたの印象を変えるものです。ファッションに、年相応の装いがあるように、言葉も歳を重ねるにつれて落ち着きある、上品なものに進化させたいところです。
 永井真理子さんの「Change」(作詞:只野菜摘)に、「歳にみがかれるおとなになりたい」というフレーズがあります。
 これは、私自身が年齢を重ねていく中で、よく思い出すフレーズです。外見やフレッシュさで勝負する10代や20代に対し、30代以降は、大人として中身の深さや教養の厚みで評価されるようになるのではないでしょうか。
人柄というものは本来、長く付き合っていく中で自然と見えてくるものですが、現代の流動的な人付き合いにおいては、第一印象がよくなければ、もうそれっきり縁が切れてしまうこともあります。
 付き合いの浅い人には、どう人柄を判断されるでしょうか。たとえば、スタッフとして接客を担当したときに、どうすればお客さんに信頼してもらえるでしょうか。
 それはやはり、表にあらわれる言動が基準になるでしょう。知性や品性を感じさせ、安心感や信頼感を持ってもらえるような語彙力を培う。それが大人として活躍の場を増やし、付き合いの幅を広げる魅力につながるのではないでしょうか。
 本書では、実用性という観点で、大人向けの語彙を選び出しました。相手に通じないような難しい語は避け、さりげなく会話に織り込める表現を紹介しています。ビジネスの場で説得力のあるコミュニケーションが取れるように、また、人付き合いの中で呆(あき)れられたり恥をかいたりしないようにお手伝いしたいと存じます。
 新たな言葉との出会いを提供するのはもちろん、目にしたことはあるという程度の言葉に関しても、深く理解して、自ら使える水準にまで引き上げていただけるよう、例文と解説を付しました。
 また、間違いの目立つ敬語に関しても、よく見られる誤りを取り上げて説明しております。
 改めて学ぶことで、大事な場面にも自信を持って臨めるのではないでしょうか。
 仕事にも人生にも活きる、自分の武器となるような語彙力を培いましょう。