太陽暦と儀礼暦と金星
52年で太陽暦と儀礼暦がひとめぐりする「カレンダーラウンド」についてはすでに説明しましたが、この金星の会合周期も合わせたカレンダーラウンドについても、考えてみましょう。
太陽暦が104年経つと「365日×104年=37960日」です。
儀礼暦が146年経つと「260日×146年=37960日」です。
金星の会合周期が65サイクルすると「584日×65サイクル=37960日」です。
このように、太陽暦、儀礼暦、金星の会合周期がすべて37960日(太陽暦104年)で1年の始まりの日が一致する「カレンダーラウンド」になるのです。
よって、マヤ文明では、この「37960日(太陽暦104年)」の周期が重要な意味を持つと考えられています。
長期暦
三つめの暦である「長期暦」は、紀元前3114年8月11日を基準にして、そこからの経過日数で表す暦です。
日数の単位は「キン」「ウィナル」「トゥン」「カトゥン」「バクトゥン」と上がっていきます。
1キン=1日。1ウィナル=20キン(20日)。1トゥン=18ウィナル(360日)。1カトゥン=20トゥン(7200日)。1バクトゥン=20カトゥン(14万4000日)です。
そして、13バクトゥン=187万2000日=約5125年となり、この13バクトゥンが過ぎたとき、長期暦がいったんリセットされます。
この長期暦が遺跡に残っている場合も多いので、遺跡の年代を特定する資料になっているそうです。
この章では、主にマヤの暦について解説しましたが、マヤ文明そのものが非常に面白いので、興味のある方は、ぜひ、いろいろと調べてみてください。