確認ライダーが行く

第16回 京都駅新幹線改札内の確認

  実家が関西で、新幹線の降車駅は京都駅を利用している。
  京都駅新幹線改札内の土産売りコーナーは楽しい。楽しすぎて、降車した時も、乗車する前も、ここでウロウロするための時間、いわば確認の時間を用意している。今年は結構、京都駅を利用したので、そうだなぁ、20回くらいはウロウロしただろうか。
  京都駅新幹線改札内。まず、ふたつあるカフェのうちのひとつ、「京下鴨 宝泉」で一休み。本店は、下鴨にあるようだが、まだ行ったことがない。あずきものを中心に、丹波の黒豆、栗などの和菓子が楽しめる。
  いつも決まって食べるのは、抹茶くず湯。
  メニューには、作り立てを出すので少々時間がかかるとある。
大丈夫。時間はある。とってある。改札内のカフェとは思えない、静かで落ち着いた店内で待つ事数分。
  小さい。
  運ばれてきたのを見て毎度思う。
  これで800円ちょっと?
  これまた毎度思う。
  湯吞みほどの器に、木のふた。開けると深い緑色。抹茶がたっぷり使われているのが見てとれる。
  熱々の抹茶味の葛に、丹波の大納言がのっている。大きくて立派なあずきだ。木のスプーンでそーっと口の中に運べば、
「わっ、葛~」
  と、口に出したくなるほど、とろとろ。
  高いけどやっぱ、おいしいわ。
  と、これもいつも思うことである。
  このメニューがない季節もある。秋に寄ったときはなかった。かわりに、季節限定の「栗しるこ」があった。知ってる。これも知ってる。散々食べている。
  この「栗しるこ」は、あずきのおしるこに栗が入っているのではなく、栗色のしるこ。栗そのものなのである。さらに、大粒の栗の甘露煮が2個も入っているのだった。
  抹茶くず湯であれ、栗しるこであれ、おいしい、おいしい、と食べ終え店を出る。
  次に、土産売り場の確認が残っている。
  買わないけど見るのは、京小物。和柄の手鏡や手帳、ポーチ、かんざしや、扇子。
  もし、わたしが今、京都に到着したばかりの外国からの旅人であるなら、一体、何が欲しいだろう?
  と、旅行者の視点でながめてみるのは愉快だ。海外旅行者たちは何を買うのかなぁと、付け回して観察するのもまた愉快。
  小物を見たあとは、食べられるお土産。
  最近、生八つ橋が大変なことになっている。抹茶、さくら、黒ごま味などの他に、チョコレート、チョコバナナ、ラムネ味まで登場し、若者化をはかっている。
  いろんな味が次から次から発売されるので、小さいサイズ(250円)をあれこれ買い、友達への土産にしている。この秋、栗味や焼き芋味の生八つ橋を買ってみたら好評だった。
  京都駅新幹線改札内は、中央のエスカレーターをぐるりと囲むように土産屋が並んでいるので、回りやすいというのもいい。
土産屋に「蕎麦ぼうろ」があるかも確認する。素朴な焼き菓子なのだが、これが全国区のお菓子でないことを知ったのは、上京後であった。ショックだった。子供の頃から牛乳とともによく食べてきたものなのに。
  これはいかんと、東京の友達に「蕎麦ぼうろ」を土産に買って帰ったところ、
「おいしいね、でも知ってる味」
  と言われ、ま、あるっちゃあるなと、妙に納得したのだった。
  最後に寄るのは漬け物エリア。重たいので締めに買う。からし茄子、奈良漬け、しば漬け。たまに千枚漬け。買う店も決めている。たどり着きました、という感じか。
  これでだいたい40分ほど。新幹線ならば、京都から名古屋に到着するくらいの時間じゃないかと考えれば、
「早よ帰れや!」
  と、自分につっこみたくもなるのだけれど、やめられない。全国の人にすすめたい、京都駅新幹線改札内散歩である。