piece of resistance

10 英会話

なんでそんなことにこだわるの? と言われるかも知れないが、人にはさまざま、どうしても譲れないことがあるものだ。奥様とは言わない、本に書き込みはしない、ご飯は最後の一粒まで食べる、日傘は差さない……等々。それは、世間には流されないぞ、というちょっとした抵抗。おおげさ? いやいや、そうとは限りません。嫌なのにはきっとワケがある。日常の小さな抵抗の物語をつづります。

 私は八年日本にたいざいしています。私は日本語はできます。私の日本語は完全なるものではありませんが、もちろんのこと、私はしんぽをめざして努力しました。ざんねんにも私はかん字はにがてです。
 日本語は、言うまでもなく、ひじょうにむずかしい。「むずかしい」か「むづかしい」か、私はたゆまずなやむのです。
 私は、時によって、じゅうだいなmistakeをつくります。それは、ひとへに、日本語がひじょうにふくざつな言語であるによってです。
 ある日、私のつくったmistakeが、日本の人々をわらわせる、これはひんぱんにおこることです。しかし、それがなにの間題ですか。私は、私の日本語がわらいをつくるのであれば、それは一つのcommunicationであると考えられます。
 失敗もまた一つのproductiveなそうぞうぶつです。Anglo-Saxonは失敗をおそれない勇気をよろこびにかえてきました。

 はい、これはresistanceの話ですね。私はわかります。
 さあ、今、resistanceについて話しましょう。
 私は――今お話したように――日本のみなさんと、日本語によるcommunicationをよろこびにかえてきましたが、ひんぱんに、それをふせげる行動にあいます。私が「Foreigner Hunting」と呼ぶことです。これが私のよろこびをふせげるのです。
  私はさく夜もhuntされました。
 私は会社の近くのいざかやでrelaxな日本酒を楽しんでいました。私のよこではgirl friendも楽しんでいました。その夜は――あなたはわかりましょう――私と彼女がとくべつになる運命にとって、ひじょうに大切な夜でした。
 しかしながら、まるごととつぜんに、私のとなりの日本人の会社員の四十さいか五十さいくらいの口ひげのある男が、私に話しかけました。

「ドゥ、ユー、ライク、ジャパニーズサケ?」
 あなたはわかりましょう、日本には、外国人をhuntして英会話をしたいなかまどもがいます。
 このことになれた者として、私はniceなsmileとともに、日本語によって返答しました。
「私は、たしなむていどに、日本酉は好きです」
 ここで、じょうしき的なhunterは、らくたんとともにあきらめるでしょう。
 しかしながら、時によって、それでもさらなる話しつづけるなかまどももいます。さく夜のhunterもそのしゅるいの一でした。
「ホワット、ドゥ、ユー、ライク、ジャパニーズフード?」
 ここで私にできるresistanceは、ちんもくです。日本人はairをよむと言います。しかしながら、ひんぱんに、それはalcoholをふくまれない日本人についてのconsensusです。
「ホワーットッ、ドゥ、ユー、ライク、ジャーパニーズフードゥ?」
「……」
「ホワーットゥ、ドゥ、ユー……ノー、ノー、ノー! ソーリー! ソーリー!」
「……」
「ワンス、アゲイン! ホワートゥ、ジャパニーズフードゥ、ドゥ、ユー、ライク?」
 私は、この男が英会話をならっているかのう性を考えることによって、さらなるしんこくになりました。彼らは投資をかいしゅうしたいのです。
 彼らの英会話のどうぐになるをのぞまない私は言いました。
「私はきようけんのシウマイべんとうが好きです」
「ノー、ノー、ノー! シューマイ、イズ、チャイニーズ、フード! ノット、ジャパニーズフード、ネ。ウワーッハッハ」
「私は、きようけんのシウマイは、もはや日本の味と考えられます」
「ホワートゥ、ジャーパニーズフードゥ、ドゥ、ユー、ライク、ザ、モーストッ?」
「きようけんのシウマイべんとうです」
「オー、マイ、ガーッ! ウワッハッハ!」
「なぜなら、私はシウマイべんとうのしょうゆさしに日本の美学のしゅうやくを見ます」
「エニウェイ、プリーズ、テイク、ミー、ア、ピク……ノー、ノー、ノー! プリーズ、テイク、ア、ピクチャー、ウィズ、ミー!」
 
 どうか日本のみなさんにお願いです。
 このつみぶかい「Foreigner Hunting」によって、girl friendとの夜をそこなわれた外国人がhunterたちのfacebookでさらされるを見たら――ひんぱんに、それは『英語が役だった』のcommentとともに――どうか新切にも私たちを気のどくがってください。

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