金持ち父さん

『金持ち父さんの「大金持ちの陰謀」』第一回

献辞/ロバートから読者へ

 パーソナルファイナンシャル部門で史上最長のロングセラーとなった、『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキは、本書の執筆にあたって革新的な方法を試みた。草稿段階の原稿を章ごとに専用サイトで順次公開し、感想を寄せてほしいと広く呼びかけたのだ。本書はその双方向的なプロセスが実を結んだものであり、そのことを記念してここに冒頭部分を掲載する。

本書の構成について

本書は二つの部分に分かれている。

第一部は、陰謀の歴史についてだ。「超」のつく大金持ちたちが、マネーサプライ(通貨供給)を通じて、いかにして世界の金融と政治のシステムを操る力を手に入れたかについて説明している。現代の金融史の大部分が、「連邦準備制度」(これは連邦政府の組織ではなく、準備金も持たず、本当は銀行ですらない)と米国財務省を軸にして展開してきた。

第一部には、なぜ大手銀行は潰れないのか、なぜ学校にはファイナンシャル教育がないのか、なぜお金を貯めるのは愚かなことなのか、歴史の中でお金がどのように発達してきたか、なぜ私たちのお金はもはや本当のお金ではなく、単なる通貨なのかといった話が含まれている。

また、一九七四年に米国議会が従業員に関するルールを変更した理由も明かしている。議会はこれによって、ファイナンシャル教育を全く、あるいはほとんど受けていない労働者たちに、401(k)といった年金プランを通じて株式市場に投資するように仕向けた。これは陰謀者たちが、年金プランを介して私たちのお金を手に入れる方法だった。それもあって、私個人は年金プランに加入していない。政府主催の陰謀を行っている超のつく大金持ちたちにお金を渡すより、自分自身にお金を渡すほうがましだと思っているからだ。

要するに第一部のテーマは歴史だ。歴史を理解すれば、将来についてより良い備えができ、より明るい将来を見通すことができる。

第二部では、あなたや私が、自分のお金をどうすればよいか──つまり、陰謀者のゲームでどうすれば彼らを打ち負かせるか──について書いている。「収入の範囲内で暮らしてください」と言われているアメリカ人がこれほど多いのに、なぜ金持ちだけがますます金持ちになるのか、その理由がわかるだろう。

金持ちがますます金持ちになるのは、簡単に言えば、彼らが私たちとは違うルールで生きているからだ。

「一生懸命に働き、お金を貯めてマイホームを買い、借金から抜け出し、株式・債券・投資信託に長期・分散投資しなさい」というような古いルールが、人々を経済的に苦しめている。こうした時代遅れのルールに従っているせいで、何百万もの人々がお金について困難な問題を抱え、彼らのマイホームや引退後の蓄えといった形で莫大な富が失われている。

本書では最後に、人々が貧乏であり続ける四つの原因について説明している。それは次の四つだ。

1.税金
2.借金
3.インフレ
4.年金プラン

陰謀者たちは、これらの力を使ってあなたのお金を奪っている。彼らは、私たちとは違うルールでプレーしているので、自分の富を増やすためにこれらの力をどう使えば良いかを知っている。一方で、同じ力が彼ら以外の人々を貧しくしている。

金持ちのアンフェア・アドバンテージ

あなたが自分の経済状態を変えたいと思っているなら、自分のお金のルールを変える必要がある。それを可能にする唯一の方法は、ファイナンシャル教育を受けてファイナンシャルIQ(お金に関する知能)を高めることだ。

ファイナンシャル教育は、金持ちの「アンフェア・アドバンテージ(不公平な有利さ)」だ。お金について教えてくれた金持ち父さんのおかげで、私はこのアンフェア・アドバンテージを身に付けることができた。金持ち父さんは、税金や借金、インフレ、年金について教えてくれた。さらにそれらを自分に有利に使う方法も教えてくれた。人生の早い時期に私は、金持ちがお金のゲームをどのようにプレーするかを学んだのだ。

本書を読み終える頃にはあなたは、将来の自分の経済状態を心配している人が今こんなに多いのに、なぜ金持ちだけがますます金持ちになっているのかを理解できるようになっているだろう。だがもっと重要なことは、将来に備え、自分の将来の経済状態を守るために、今あなた自身に何ができるかを知ることだ。

ファイナンシャル教育を受け続け、あなたのお金のルールを変えることによって、税金、借金、インフレ、年金プランの犠牲者になるのではなく、それらの力を使いこなし、恩恵を受ける方法を学ぶことができる。

世界の政治や金融システムが変わってくれるようにと多くの人が願っている。それは時間の無駄だと私は思う。私に言わせれば、指導者やシステムが変わるのを待つより自分自身が変わるほうが簡単だ。

今こそ、自分で自分のお金と将来の経済状態をコントロールするべき時ではないだろうか。お金の世界を牛耳っている陰謀者たちが、あなたに知られたくないと思っていることを知るべき時ではないだろうか。難解で複雑なお金に関する概念を、もっと易しい形で理解したいとは思わないだろうか。

「その通りだ」と思うなら、本書はあなたのためのものだ。

一九七一年、ニクソン大統領が米国ドルの金本位制を停止すると、お金のルールは変わった。そして今日、お金はもはや本当の意味でのお金ではなくなっている。だから、お金についての新ルールその1は、「お金とは知識である」ということになる。

本書は、お金について知識を増やしたいと思っている人のために書いた。今こそまさに、あなたが自分のお金と将来の経済状態をコントロールすべき時だ。

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