●自分が変わること
太田 でも、わかりますよね。なんでこんなに面倒くさいんだろうと、すごく思いますけど。問題をややこしくしちゃうし。でも、それでも、良いこともあるし、やっぱり、一人じゃ生きられないというのも、日々生きながらまざまざと実感しているので、さっき言っていた、一人でもよいからわかってくれる人がいたりするといい。
あと、これはわたしの身の上話ですけど、大事な人には事後報告をしない。特に面倒くさいなというとき。わたしは超事後報告型で、自分が辛いときとか、何か面倒なことが起きているときに、これを他人に話しても、何もできないとか、迷惑がかかるとか、自分でこれを巻き起こしているから、自分で解決しなきゃとか思うと、すごく他人に言えない、相談できないんです。それで、連絡を取らなくて、後で会って「実は……」と言うと、「なんで、いつも後なの?」って。「それは自分が信用されていないんじゃないかと思う」と、すごく怒られたことがあって。
服部 (その人は)すごく心配していたんですね。
太田 すごく心配していたし、わたし自身も、たぶん漏れてはいたから、結局、人に心配されて(笑)。(会場を見ながら)たぶん、事後報告をやめるというのが当てはまる人が、頷いている(笑)。 結構、これは難しいことなんですよ。実感がある人からすると。でも、それを言ってくれた友達がいたお陰で、あまり話さないこともその子に言えるようになって、だいぶ、「なぜ、こんなに自分一人で抱えていたんだろう」と思ったり、どうでもよくなったりすることもいっぱい出てきて……。
服部 わたしは、太田さんが高校1年生のときにある撮影でお会いしたことがあって、きょうお会いして話すと、何というか、太田さんという人はお若いんですけど、すごく一日一日を生き切っているという印象です。
太田 いやあ、どうだろうな(笑)。結構グダグダですよ。
服部 人間だからグダグダのときはあるけれど、でも、ちゃんと突き詰めて自分自身と向き合って、考えてやっている方なんだなという印象を受けました。
太田 ありがとうございます。
服部 この本(『うつくしい自分になる本』)は、後半でほんとにマニアックになっていくんですね。人って、どうして生まれてくるんだろうって、面倒なことがほんとにいっぱいあって、なんで肉体を持って生まれてきたんだろうって。生きているのって長いなとか。「あとまだ40年ぐらい生きるわけ?」とか。
丹波哲郎さんという俳優さんが昔いまして、その方が、心霊研究もなさっていた俳優さんなんですけど、このあいだその丹波さんがおつくりになった映画『大霊界』を見たんです。死ぬときにどんな感じになるかとか、死んだあとどうなるかとか……。
太田 説明するんですか?
服部 説明しているの(笑)。映画自体結構チープなんです。だけど、なかなかすごい内容で、向こうの人が呼びに来るの。これは、ある先生から聞いたのですが、死ぬ時って魂が頭からポンと抜けるのだとか。
太田 ああ、魂が。
服部 うん。その瞬間めっちゃ気持ちいいらしいんですよ。ポンッと抜ける。
太田 体験したことないから(笑)。
服部 わたしも(笑)。で、その『大霊界』というマニアックな映画では、曽我さんという人がバスの事故で死ぬんですね。そこから物語がはじまるんですけど、肉体としての自分が死ぬでしょう。そうしたら、全然死んだ気がしないわけ、事故で亡くなっているから。そして、「曽我さ~ん」と(向こうの人が)迎えに来るの。なんかね、魂のレベルが同じ人同士グループごとに集まって、天使みたいな人からレクチャーを受けて、どんなことを学んだか整理して、また次の段階に行くとか、けっこう、こと細かに霊界の話をしてる。いやあ、人って、何のためにこれをやっているんだろうと思うことって(人生の中で)がありますよね。
太田 もう、しょっちゅうですよ。
服部 ねえ、ほんとですよね。だけど、私自身は、こういう自然療法の世界とかで心身を整えたりすることで、だんだん自分自身がシンプルになって、本に書いたとおり、10年前よりいまのほうが全然幸せだし、自分の中がスッキリしている。例えばある程度は、冷えとりしたり、自分の中のインナーチャイルドをケアしたり、そういうことをコツコツバカみたいにやってきて、それでスッキリしてきているのかなと。
わたしは、ここにいらっしゃる会場の皆さんよりも、太田さんよりも、もっとからだがボロボロだったし、こころももっと病んでいて、20代から30代前半までかなりひどかったんですよ。だけど、自分で自分をケアし浄化することができたから、必ずみなさんに合うものがあって、たいへんな状況から抜けるときが来る。いまよりもっともっとシンプルになる。それは周りが変わるんじゃなくて、自分が変わるのかなと、最近思っています。