鈴木家の箱

鈴木Pファミリーの始まり

2021年から始まった、オンラインサロン「鈴木Pファミリー」。その誕生の背景には、父と娘の関係に起きたある変化がありました。

 そんなふうにオンラインサロンを始めてからもう1年が経つ。
 博報堂の小松さんにはなんの説明もせず、「今日からクラブハウスやるから来て」とLINEをして、強制的に参加してもらった。
「とりあえず最初は毎週やるからよろしく」と伝えると、小松さんはなんの躊躇もなく当たり前のように毎週来てくれた。今では小松さんもすっかりメンバーの一員だ。
 ツイッターで先着順で集めたメンバーは日本各地に住み、いろんなスキルを持ったとても濃いメンバーで、彼らとの交流は想像以上に楽しくて毎日刺激を受けっぱなしだ。
 私が知らない父を彼らは当たり前のように知っていて、そんな彼らから父の話を聞くのはとても興味深い。
 何十年も家族として過ごしてきた私と同じくらいの時間、彼らは違う視点から父を見て生きてきているのだ。彼らの頭の中には父の年表が全部おさまっていて、いつの時代の父の話もすごく細かく教えてくれる。こんな面白い話が聞けるなんて、想像をはるかに超えている。
 父が私とまったく同じセリフを言っていることなんかがあって、父との新たな共通点を知るのだ。以前は父と似ていると言われることは嫌だったが、父を好きなメンバーたちに言われると少し嬉しいような気持ちになるのも新しい発見だ。 
 父とメンバーの交流も、父の違う一面が見れる。父は私が思っていたよりすごく真面目で、優しく、博識で、いいことを言う。長年家族でいても知らない部分はたくさんあるんだなと思う今日この頃だ。
 私よりはるかに父を知る友人たちから、父がどんな人なのかもっと聞きたい。ジブリ映画を純粋な気持ちで好きになれた皆に、ジブリのどんなところが好きなのか聞きたい。純粋な気持ちで見聞きしたら、どんなふうに感じどんなところに感銘を受けるのか知りたい。私が感じ得ることのない感動を、皆さんを通して感じてみたい。
 そしてそんな友人たちと、父がどう関わっていくのかをもっと見てみたいのだ。私はそんな友人たちと父をつなげることで、また友人たちを通して父と今までしたことのないような会話がしたいのだ。
 それは私にとっても友人たちにとっても新しい、ワクワクする体験に違いないのだ。 

 あのときにオンラインサロンを始めて良かったと、心から思う。
 私や、父や、鈴木家の歴史が、「鈴木Pファミリー」とともに作られていくのを見るのが最高に楽しい。
 これからも新しい発見や体験にワクワクしながら毎日を過ごしていけたら幸せだ。