
小沢信男さんと、82年前の通学路を歩く(後編)
『私のつづりかた』『ぼくの東京全集』刊行記念!
今年2月に刊行された『私のつづりかた』は、作家の小沢信男さんが1935年、小学校2年生のときの「つづりかた」(作文)を読みなおし、当時と現在を往来して書いた、とてもユニークな一冊です。この本と、小沢さんの65年分の文章をまとめた『ぼくの東京全集』(ちくま文庫)刊行を記念し、2016年11月に小沢さんと、母校の銀座・泰明小学校から銀座8丁目のご実家の跡地まで82年前の通学路を辿りなおした記録を公開いたします。後編は、学校から小沢さんの家へ! (文責:筑摩書房編集部 写真:藤部明子)
○いよいよ屋上へ
さて、図工室を出て、いよいよ屋上へ。途中の階段が、とてもお洒落です!
屋上へ到着。ゴールが置かれ、バスケットができるようになっています。
小沢さん「昔は、ざらざらした床だったな。藤棚があったんですよ。今は、ずいぶん洋風な屋上になっているね。向こう側に、白くて丸い日劇と、グレーで四角い朝日新聞社があったんだ。それからニュー・トーキョーと、あの東急プラザ銀座のところにマツダビル。当時ここらで高い建物はそのくらいでした」
村上先生「いまは、ほんといろいろ囲まれていますからね」
屋上で校舎の見学は終了。校長先生と副校長先生と楽しい歓談をして、案内してくださったことにお礼を言い、校舎をあとにしました。
小沢さん「あぁ面白かった。目一杯に教室を使ってるね。長生きはするものだな」