「愛をばらまけ」、その後
路上生活者や日雇い労働者が多く集まる大阪・西成。その片隅に、ひなびたラーメン屋を思わせる外観の教会がある。
「愛があふれる」の意味を持つこの教会を設立したのは、50を過ぎて学校の先生から牧師へ転身した西田好子さん(70)。コテコテの関西弁でズケズケとものを言い、よく笑い、すぐに泣く。「聖職者」イメージからかけ離れた、けったいで、どうにも憎めない西田牧師のもとには、20人のワケあり信徒たちが集う。いずれも家族に見放され、社会とのつながりを断たれ、アオカン(野宿)経験のある男性たち。
ここで繰り広げられる「魂のぶつかり合い」を余すことなく描いたのが、昨年11月末に刊行された『愛をばらまけ』。その著者で読売新聞大阪本社の現役記者が、取材を通して考えたことを3回にわけてお届けします。ぜひ、お読みください。
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