第13回・遺伝子操作ベビー

具体的な遺伝子操作の手法としては、以下のようなものがあります。

1. 遺伝子編集技術（Gene Editing）: CRISPR-Cas9などの遺伝子編集技術を使用して、特定の遺伝子を変更、追加、または削除することが可能です。これによって、遺伝的な病気や障害を修正することができるとされています。

2. 胚性遺伝子診断（Preimplantation Genetic Diagnosis, PGD）: 生殖医療の一環として、胚が培養される段階で遺伝子検査を行い、特定の遺伝子の有無や特性を確認します。その後、健康な胚のみを子宮に戻し、妊娠させることができます。

これらの技術を用いることで、遺伝的な疾患や病気のリスクを軽減したり、特定の遺伝的特性を持った子供を生むことが可能になります。例えば、先天性の遺伝的な疾患や、身長や目の色などの外見的特徴の遺伝を操作することが考えられます。

しかしながら、遺伝子操作ベビーには様々な倫理的な問題や社会的な懸念が存在します。一部の人々は、個体の尊厳や人間の多様性を損なう可能性や、社会的な不平等や差別を引き起こす可能性を指摘しています。

現在、多くの国や地域では、人間の遺伝子を意図的に変更することは法的に制限されています。国や地域によっては、胚性遺伝子診断など一部の制限付きの遺伝子操作が認められている場合もあります。しかし、技術の進歩により、将来的には遺伝子操作ベビーがより現実的になる可能性もあります。

上記でははっきりとは触れられていませんが、デザイナーズベビーが新たな優生学を生む危険性については、下記の記事などをご参照下さい。