『うつくしい自分になる本 SELF CLEANING BOOK 3』刊行記念対談

うつくしい自分になるには?【前篇】
『うつくしい自分になる本 SELF CLEANING BOOK 3』刊行記念対談

服部みれいさんに『うつくしい自分になる本 SELF CLEANING BOOK 3』の刊行記念対談が、2018年4月10日、青山ブックセンター本店で行われました。女優の太田莉菜さんが対談のお相手です。前編は、みれいさんから莉菜さんへの公開プレゼント、そして自然療法の話へとたのしく展開していきます。そして後編は、心のうちの深いお話へ。

●壇上でのプレゼント

みれい 私はいま岐阜の美濃というところに住んでいるんですけど、莉菜さんにお土産を持ってきていて、お客様がいらっしゃるのですけど、公開でお渡しするというのをしてみたいと思います。本来なら楽屋でやることを、会場のみなさんの前でさせていただくという試みです。まず、パクチーは召し上がりますか?

莉菜 はい、大好きです。

みれい 今朝、畑でパクチーを採ってきましたよ。いいでしょう~。パクチーは、結構もう自生していて……。

莉菜 ああ、パクチーの匂い。

みれい 今朝採ってきたばかり。わたしの爪が黒いのは、畑で土が入っているからで……。いま、ハーブにハマっていて、いろいろな種類の薬草を育てています。まだ勉強中ですが。あと、冷えとり用の靴下。これね、絹、綿、絹、綿と入っています。これは、夜寝るときなんかも履くと、気持ちいい。

莉菜 こういうのって、いただけると嬉しいですね。

みれい ただ、なんか、「やらなきゃいけないの?」というふうになると悪いなと思っていますが……。ちなみに、これは5本指ソックスから履かないと、最後まで履けないです! 絹が毒を吸うと言われています。それを綿がさらに吸い上げて、保温する。それを重ねることで冷えを取るんですけど、きょう私は、それを8枚履いています。

莉菜 すごいですね。靴のサイズって、どうなっちゃうんですか?

みれい 靴のサイズは1個上ぐらい。22.5なんですけど、24ぐらいで。8枚履いているとは思えなくないですか?

莉菜 そうですね。普通に寝るときとかだけにつけるものだと思っていましたけど、普段歩いているときも……。

みれい いつもずっと履いています。それから……次は……サニーレタスの種ならやれるかなと思って……種のおみやげ。

莉菜 ちょうど引っ越して、植物なんか植えてみようかなと。

みれい 種についてまだまだ勉強中なのですが、種の世界はなかなかすごいことになっているみたいなんですよね。種というのは本当は何度も採れるのね。うちの畑は基本、固定種・古来種の種を使っていて、パクチーなんかは比較的簡単に種が採れます。一般的に出回っているF1種は作物がいっぺんにたくさん採れるものなのですが、1回育ったら終わり、一代限り。でもこの種はずっと種が採れ続ける種です。そして、まだありますよ。これは、道の駅で売っていた大豆。

莉菜 道の駅は、年を取れば取るほどお店へ上がりたくなるという楽しい所ですね。

みれい 道の駅って、ほんとにいいですよね。『マーマーマガジン』の編集部と、わたしが住んでいる美濃の道の駅も活気がすごい。

莉菜 行ってみたいです。地方に行くと、絶対道の駅に行きます。一番楽しいです。

みれい 最高ですよね。いつか、莉菜さんも、うちの近所の道の駅にお呼びしたいですね。道の駅び話になると熱くなっちゃうわ。岐阜は何もないところだけど、道の駅は本当にいい。

 あとね、「美代ちゃん」というお店があるんです。美代ちゃんという女性がやっているの。さっき、わたしの本や出版物が入り口に並んでいましたけど、『サラダの本』というローフードの本をエムエム・ブックスから出しているのですが、その著者であるささたくや君という、すばらしい料理人がいるんですけど、彼は、美濃に来るとかならず「美代ちゃん」に行くらしい。

 「美代ちゃん」は、美代ちゃんという女性がレジを打っていて……倉庫みたいなところにこの部屋の半分ぐらいの低い台があって、もうね、すごいの、食品の陳列具合が。見たことないスーパーみたいな。

莉菜 ああ、スーパーなんですか。

みれい そう、道の駅とスーパーのあいだみたいな感じです。

莉菜 ご本人が育てたりとか。

みれい それはしていないと思う。美代ちゃんは仕入れかなあ……。すっごくパンクな精神を感じるお店なの。ちょっとヤバい。口で説明できないな……。

莉菜 もうちょっと掘り下げてほしいですね(笑)。

みれい なんか、奥へ行くとね、蜂とかが焼酎漬けになっているんです。さらには、マムシの焼酎漬けがあったり、近所のおばあちゃんが漬けた何とか……。入口は普通の消費社会のものなんだけど、だんだん奥へ行くと、村のおじいちゃん、おばあちゃんの手作りのものになっていくんです。美代ちゃんと道の駅がわたしの中で熱いです。

 あ、で、これは大豆です。今年、私はお味噌を作ったんですよ。

莉菜 私は作ったことがないですけど、周りで結構、「味噌作りに行くよ」と誘われたりもして……。

みれい じゃあ、来年とか今年はぜひ。味噌づくりは素晴らしいです。私は今年、16キロの大豆を茹でました。すごかった、大豆16キロって、麹と塩も入れるから、全部で40キロぐらいになる。茹でた大豆を踏みまして、麹と塩と混ぜてあったものを加えて、ボールにして投げるという。いま土間に寝ていますけどね、味噌づくりは本当にお勧めです。

莉菜 お味噌って、人の菌がつくじゃないですか。子どもがお味噌を作るとすごく美味しくできるといって……。

みれい ああ、そうかも~!

莉菜 逆に、体に不調があったり、あまり自分の体がよくないときに作ると、そんなに美味しくないカビが生えてくるとか。味噌づくりはすごく奥が深いと聞いたことがあります。

みれい 味噌づくりは、『いただきます――みそをつくる こどもたち』という映画がすばらしくて、お味噌づくりをしている保育園のドキュメンタリーなんです。前の学年の子が次の学年の子へと、卒園する前に作るんですけど、とってもすばらしい映画です。もし、お母さんたちで何の映画を上演しようか迷ったら、この、お味噌汁をつくる映画をみんなで観るのはすごくよいと思う。映画としてもすごく良いし、ご飯とお味噌汁と、日本の食文化について見直す、すごくわかりやすい映画でお勧めですね。それを見て、絶対お味噌をつくろうと思って、今回は莉菜さんへのおみやげとしても、大豆を買ってきました。

莉菜 ありがとうございます。

みれい まだあるの。ジャンジャジャ~ン。うちね、去年、お米もつくりまして。

莉菜 嬉しい~、大好きなんです。

みれい ほんと? 何が自慢って、1年目だから、そんなすごく美味しいかどうかはわからないけど、全部手作業というところです。手で植えて、手で刈って、手で干して。現代的な機械は一切使わずに、脱穀も全部、足踏み脱穀機など昔の農機具を使って。そのお米もお持ちしました。

莉菜 大切に食べます。手がかかったものは美味しいんですよね。

みれい 移住してちょうど3年になるんですけど、畑はわりと最初からできて、お米は去年から始めたんだけど、畑と田んぼは全然違う感じがします。

莉菜 そうなんですか? 私は子供の頃、田んぼに囲まれて暮らしていて。畑じゃなくて田んぼでした。

みれい へえ~。

莉菜 田植えとかしていました。

みれい すばらしいですね。わたしたちも、田植えをするとき、泥相撲もしたりして。

莉菜 楽しいですよね(笑)。

みれい うちはスタッフ同士で相撲を取って、みんなドロドロになって楽しんで。

莉菜 大人になって、あまり泥にまみれるとかないですもんね。

みれい そうなんですよね。あとは、わが社の出版物を(プレゼント)。これは『日めくりコンシャスプランカレンダー』。まだ4月だから大丈夫よね。裏がね、メモ用紙にすごく役立つの。あと、1日1個プランが書いてあるんですよ。で、これが『まぁまぁマガジン』、詩とインタビューの雑誌。私が編集している雑誌です。

莉菜 ありがとうございます。(渡されたカレンダーを見ながら)きょうは4月10日。(その日のカレンダーを読み上げて)「『顔』が見えるものを」「竹かご大好き」「食べものでも雑貨でも、誰がつくったかわかるものを、ぜひ。」って書いてある。

みれい (ぴったりすぎて)鳥肌~(拍手)

莉菜 (読み上げて)「『顔が見えるもの』にはそれ特有のやわらかさ、心地よさ、あたたかさがあります。そのエネルギーを取り入れれば、そのものの『いのち』が自分の中に定着するはず。いきいきしたエネルギーは喜びそのもの、です。」 すごいですね。

みれい いやあ、莉菜莉菜さんに読み上げてもらって、感動。ありがとうございます。

 それで、最後にね、わたし、岐阜で、「エムエム・ブックスみの」というセレクトシヨップをやっているんですよ。これは茜で染めたお店のオリジナルトートバッグ。

莉菜 かわいい。

みれい このバッグの小学生みたいな字はわたしです。これを莉菜さんに使っていただきたいと思いまして、お持ちしました。

莉菜 使います(笑)。

みれい ありがとうございます。

 

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服部 みれい

うつくしい自分になる本 (単行本)

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