ちくま文庫

本好き女子になりました

PR誌『ちくま』2018年3月号より、ちくま文庫新刊の南陀楼綾繁著『本好き女子のお悩み相談室』について、新潟県を拠点に活動するアイドルグループRYUTistの宇野友恵さんにご寄稿いただきました。 宇野さんは本書の中のお悩み患者の一人としても登場します。今回の文章が初めての執筆活動になる宇野さんのフレッシュな文章をお楽しみください。

 君に魔法をラリリレル! 柳都のキュートな「RYUTist」です!

 私は新潟県のアイドル「RYUTist(りゅーてぃすと)」のメンバーで、ともちぃこと、宇野友恵と申します。ちなみに柳都とは、新潟市のことを表す呼び名で……ここで興味が無いとページをとばさないで下さい!
 今回、私も登場した南陀楼綾繁さんの文庫の新刊に書評を書く機会を頂きました! 「なんで」と思いますよね? そこで私の紹介も兼ねてここまでの経緯を少々お話させて下さい。

「本を読むことが楽しい」から「本が人と人とを繋ぐ」へ――
 新潟市にある〈街の小さな本屋、北書店〉さんとの出会いで、本の魅力に気付きました。最初に佐藤店長からおすすめしてもらった本は、角田光代さんの短編集『さがしもの』でした。その中に「本が人を繋ぐ」という内容のものがありました。
 それまで、本によって新しい考えを知り、自分では言い表せない、ムズムズした気持ちを作家さんが代弁してくれる。それに感動し、心地よさを覚え、もっと本を読みたい! と、ときめいていたので、「本が人を繋ぐ」と聞いた時に、現実社会からの逃避のように読書に耽っていた私は不思議な気持ちになりました。
 だって皆さんは知っていますか? 本を読んでいると話かけられないということを! 人との関わりを持つことが苦手で内向的な私にとって本は時として外敵から身を守ってくれる武器でもあるのです(アイドルとしては失格かも……)。自分の世界に入る読書。そんな楽園に人が介入してくるなんて絶対に嫌! そう思っていた私は、
 RYUTistの活動→北書店との出会い→一箱古本市に行く→南陀楼綾繁さんとの出会い→『本好き女子のお悩み相談室』に登場→書評を書かせて頂く←今ここです
 本がきっかけで活動の幅が広がり、「本が人を繋ぐ」ということを身を以って実感しています。すみません……人との出会いは全然悪くなかったです。長くなりました。本題へ!

『本好き女子のお悩み相談室』は南陀楼綾繁さんが、全国各地で開催されるブックイベントで出会った、年齢も性格も環境も違う35組の本好きの女性に取材し、お悩みを聞いていきます。私もその中の一人です。
 彼女たちが出会ってきた本とその人生はとても魅力的で、自分のやりたいことや好きなことを思う存分に楽しんでいるようでした。
 でも、そんな輝く彼女たちにも悩みがあるのです。
 友達が少ない私は人の悩みを聞く経験がないので人生を楽しむ人に悩みなどないと思っていました。私は「悩み」という言葉のイメージは、陰、闇、傷、苦のように負が混ざった感情が多いと思っているので、それを覗き見てしまうことは怖かったです。
 でも、読み進めていくうちに、会ったこともない彼女たちへの「親近感」を感じ、抱える悩みに共感していました。
 そんな悩みに南陀楼先生は、1組に3冊ずつの心のお薬を処方してくれます。読めば良い効果がありそう。全部で105冊の処方された本は、どれも読んでみたくなります <
私は健康診断を経験したことがなかったので、今回のインタビューは初めての健康診断のようで、処方して頂いた本のお薬が嬉しかったです。
 本書の魅力の一つは、南陀楼さんが人と本を繋いでいくということではないかと思います。
 読者の方にも同じような悩みを持っている人たちがいると思います。その解決の糸口や、新しい考え方を教えてくれるかもしれません。
 この本の効き目は凄いです! 人やお話が苦手な私に、登場する本好きの彼女たちと「お会いしてお話を聞いてみたいな」という気持ちにさせてくれます。おっ早速効いてきました~。
 私もいつか一箱古本市の店主として、本と人が出会う瞬間に立ち会ってみたい、私の小さな夢は膨らみました。
 それでは、新潟で! HOME LIVEでお待ちしています。ラリリレル、バハハイ~!
 

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