この研究は1971年に、アメリカのロチェスター大学の心理学者、エドワード・デシによって発表されたものである。
実験の対象者は大学生であった。彼らはまず、ソマと呼ばれるパズルを実験課題として与えられた。ソマといわれるものはアメリカでは普通に売られているようだが、日本では必ずしも入手が容易でない。これは大きめのサイコロのような立方体がつながってできているもので、それらを組み合わせながらさまざまな形を作ってゆくものである。
心理学史上にのこる30の名実験を選りすぐり、その内容を紹介しつつ心理学という学問の歴史と広がりを一望する、ちくま新書4月刊『心理学をつくった実験30』。ここでは、そのなかから「デシの内発的動機づけ」の実験を紹介します。人を「やる気」にさせるものとは何か。ぜひご一読ください。