ウィキペディアを読み出して、止まらなくなることがある。そう云えば、そう云えば、と関連項目から関連項目へ、次々に飛び続けてしまうのだ。先日は、子どもの頃に読んだ漫画やアニメについて読み耽ってしまった。『男どアホウ甲子園』(佐々木守原作・水島新司作画)とか『男一匹ガキ大将』(本宮ひろ志)とか、タイトルからして今の作品とは雰囲気が違っている。荒々しいのだ。でも、もっと凄いのがあったような、確か、そう、『アパッチ野球軍』(花登筺原作・梅本さちお作画)だ。懐かしくなって、その項目に飛んでみた。
かつて高校野球で活躍するも自らの手で選手生命を断った(前作の『エースの条件』参照)青年・堂島剛が、過疎の村で社会からはみでた不良少年たちに野球を教えていくという物語である。
このような作品紹介から、登場人物一人一人の解説へ。「そうそう、いたいた」と思いながら丁寧に読んでゆく。
モンキー
声-大竹宏/田の中勇(12話以降)
材木と同じく木こりの子。小柄ながらそのずば抜けた走力と身の軽さで堂島に「外野を一人で守れる」と言わしめた逸材。悪童が多いメンバーの中でも「人殺しは嫌い」と当初からポリシーを持っていた数少ない人物。
「外野を一人で守れる」から「人殺しは嫌い」への飛躍に驚く。「モンキー」って猿っぽい子、覚えてるけど、そんな凄い「ポリシー」の持ち主だったとは。しかも、「数少ない人物」って、どれだけ荒っぽい世界なのか。
ウィキペディアには、お気に入りの頁というものもある。時々、訪れては読み返したくなるのだ。例えば「引田天功(2代目)」。プリンセス・テンコーの異名を持つマジシャンである。今はイリュージョニストというらしい。
本人曰く、「全身の血液を交換する前までは人の言うことを素直に聞く良い子だったが、交換後は人の言うことを聞かなくなり、ものすごくアクティブになった。」そのため「血液の持ち主がすごく強い人だったのかもしれない」と語っている。
本人曰く「時給制」であり、時給は5000万円。
北朝鮮で公演した際に、水からの脱出イリュージョンにて、金正日が「肌が荒れてはいけない」という理由から、2トンものÉvianを使用してくれた。
目も覚めるようなエピソードが満載だ。プリンセス・テンコーの師系を辿ると、松旭斎天勝を擁した松旭斎一門にまで遡ることができるらしい。天勝は明治後期から昭和初期にかけて活躍した美貌の女性奇術師である。私も何枚か絵葉書を持っている。
そこで、ウィキペディアの「松旭斎天勝」の頁に飛んでみると「前歯にダイヤモンドの差し歯していた」「人魚の肉を食べていた」といった「突飛なエピソード」についての記述があり、おおっと思う。二人の間に時空を超えた繋がりを感じた。